ラジカル制御型塗料とはどのような塗料?代表的な製品もご紹介します!

2022/09/07 スタッフブログ

「ラジカル制御型塗料って何だろう」
「他の塗料と比較した時の特徴が知りたいな」
このようにお考えの方はいませんか。
今回はラジカル制御型塗料について、代表的な製品やメリット・デメリット、シリコン塗料との比較などをご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

□ラジカル制御型塗料とは?


ラジカル制御型塗料とは、ラジカル制御型の酸化チタンを使った塗料を指します。


しかし、聞きなじみのない言葉が多くて分かりづらいですよね。
順番に分かりやすく解説していきます。


まず「ラジカル」とは、有機物を劣化させるために使われるエネルギーです。
塗料の色をつくる過程で酸化チタンが用いられますが、この酸化チタンが紫外線に当たるとこのラジカルが発生して、外壁の劣化が進みます。


酸化チタンはクリーム系やホワイト系の色味を調色する際に使われ、下地の色を隠す効果もあります。
外壁塗装で人気の色味をつくる上でほぼ必要不可欠と言って良いでしょう。


しかし先ほど述べた通り、酸化チタンは紫外線にさらされることによってラジカルが発生し、外壁の劣化が進行します。
外壁が紫外線や雨風から家を守る役割を果たす以上、紫外線を避けることは不可能です。


そこで登場したのが、ラジカル制御型塗料です。
ラジカル制御型塗料は
・ラジカル制御型の酸化チタン
・光安定剤
の2つが使われています。


ラジカル制御型の酸化チタンは、酸化チタンから発生したラジカルが閉じ込められるよう、バリアー層があります。
これにより有機顔料や樹脂にラジカルがダメージを与えることがなくなり、塗料の劣化を遅らせられるのです。


また、光安定剤はバリアー層から抜けたラジカルを捕まえる役割を果たします。

 

□代表的なラジカル制御型塗料について


ラジカル制御型塗料が何か分かったところで、代表的なラジカル制御型塗料を3つ紹介します。

 

*パーフェクトトップ


最初に誕生したラジカル制御型塗料が、日本ペイントのパーフェクトトップです。
そのため知名度もラジカル制御型塗料の中でもトップクラスに高く、シリコン系よりも高い耐久性を持っています。


*エスケープレミアムシリコン


国内でトップシェアを誇るエスケー化研が発売しているラジカル制御型塗料で、
・高緻密無機シールド層
・高緻密有機シードル層
・ハイブリッドシリコン樹脂
でラジカルの発生と劣化の進行を抑制します。


特徴はシリコン樹脂が含まれている点で、水性シリコン樹脂塗料よりも耐候性に優れています。

 

*アレスダイナミックTOP


関西ペイントのアレスダイナミックTOPは、シリコン系のベースで長期間外壁を保護することが得意です。
高い付着力を持っているため高湿度での塗装にも強く、もちろんしっかりラジカルの発生・活動を抑制します。

 

□ラジカル制御型塗料のメリットとデメリットについて

 

*ラジカル制御型塗料のメリット


1つ目のメリットは、高耐久性塗料に分類される塗料の中では、比較的コストが安く抑えられる点です。
フッ素樹脂並みの耐久性があるにもかかわらず、値段はリーズナブルです。
価格と耐久性の両方を備えた塗料をお探しの方におすすめです。


2つ目のメリットは、光沢が美しく防汚性に優れている点です。
パーフェクトトップの場合、促進耐候性試験において、塗装から2500時間が経過しても光沢保持率は80パーセントでした。


親水化技術による低防汚性機能もあります。


3つ目のメリットは、作業性が高い点です。
ラジカル制御型塗料は伸びが良く、ムラが出にくいです。


4つ目のメリットは、チョーキング現象が起こりにくいことです。
外壁を手で触ると白い粉が付く「チョーキング現象」は、ラジカルの発生によって塗膜が劣化することで起こります。


ラジカルの発生を制御するラジカル制御型塗料は、外壁の劣化を抑え、美しい外壁を維持します。

 

*ラジカル制御型塗料のデメリット


1つ目のデメリットは、まだ実績が少ないことです。
ラジカル制御型塗料は市場で扱われてからまだ10年も経過していません。
実績が少なく、不安に感じられる方もいらっしゃいます。


ただし、市場で販売される前にメーカーで試験や暴露テストはしっかり行われています。
メーカーによっては保証も付くので、実績が少ないからと言って不安がる必要はありません。


2つ目は、知名度が低いというデメリットです。
外壁塗装に使われる塗料の主流はやはりフッ素やシリコンで、販売年数も知名度もラジカル制御型塗料は及びません。
知名度が低いゆえに、塗装会社でも取り扱っていない会社があります。


3つ目のデメリットは、濃彩色を出すことが困難であることです。
ラジカル制御型塗料は、白色顔料を調色する際に使われる酸化チタンが使われます。
そのためラジカル制御型塗料は濃彩色では使えません。


ただし、酸化チタンを使用しない濃彩色の場合にはそもそもラジカルは発生しません。
つまりラジカル制御型塗料を用いずとも、濃彩色の塗料はラジカルが発生しないのです。

 

□ラジカル塗料とシリコン塗料を比較すると?


次に、ラジカル制御型塗料とシリコン塗料を比較してみます。


1平方メートル当たりの単価を比較すると、ラジカル制御型塗料もシリコン塗料もほとんど変わりません。
ともに耐候性・防汚性・防藻性・防カビ性・ツヤの面で優れており、優劣がつけがたいです。


ただし塗りやすさと耐用年数の面ではラジカル制御型塗料が優れており、知名度の面ではシリコン塗料が優れています。


また、先ほど紹介したパーフェクトトップを含めたラジカル制御型塗料は、水性塗料です。
水性塗料は塗装時の臭いも気にならないため、集合住宅にお住まいの方は特におすすめです。

 

□塗装選びのポイントについて

最後に、塗装を選ぶ際のポイントを紹介します。


1つ目は、サイクルコストです。
塗装は何を選ぶのかによって、1回当たりの費用も耐用年数も異なります。
この際1回当たりの費用だけで塗料を決めるのではなく、耐用年数が何年なのかも視野に入れると良いでしょう。


耐用年数が短いと、塗料が安くても早いスパンで塗り替えなければ効果が持続しなくなってしまいます。


逆に近いうちに家のリフォームや建て替えを検討している場合は、高価で耐久性の高い塗料を選ぶと、もったいないです。
長い目で見たサイクルコストを確認するようにしましょう。


2つ目は、塗装する場所ごとの塗料選びです。
家の箇所によっては、紫外線や雨風にさらされる度合いが高い場所があります。
その最たる例が屋根です。


屋根は家の中でも最も過酷な環境にさらされています。
そのため、外壁よりも耐久性の高い塗料を選んで塗装することをおすすめします。


また、素材によって塗料を使い分けることも大切です。
木、コンクリート、鉄など、家に使われている素材はそれぞれ性質が違います。
塗料を正しく使い分け、耐久力の向上を目指しましょう。


3つ目は、ツヤの有無です。
ツヤを出すかどうかによって、家の印象は変わってきます。
色選びと同じように、その家のスタイルやデザインによってツヤを使い分けるようにすると良いでしょう。


4つ目は周囲への配慮です。
何十年も住み続ける家に塗装を行う際には、周囲の自然や人間への配慮を忘れないようにしましょう。

 

□まとめ

今回はラジカル制御型塗料について、代表的な製品やメリット・デメリット、シリコン塗料との比較などを紹介しました。
埼玉・川口市周辺でラジカル制御塗料に関する疑問やお悩みがある方は、お気軽に当社までご連絡してください。
皆様からのお問い合わせをお待ちしております。