微弾性塗料とは?使用するメリットやデメリットに加えて注意点についても紹介します!

2022/12/15 スタッフブログ

外壁塗装や屋根塗装に微弾性塗料がいいという話は聞いたことがある方も多いと思います。
今回は、微弾性塗料を使用する利点と欠点に加えて、注意すべき点について紹介します。
魅力の詰まった塗料であるからこそ、より理解を深めたうえで、この塗料を使用することがおすすめです。
さて、微弾性塗料とはどのような魅力が詰まったもので、注意すべき点はどこにあるのでしょうか。

 

□微弾性塗料とは

微弾性塗料の説明をする前に、弾性塗料について触れておきましょう。
弾性塗料とは、日本産業規格によると、20度で伸び率が120パーセント以上の塗料のことを言います。
また、弾性塗料という大きな枠組みの中に、高弾性塗料と微弾性塗料が存在します。
高弾性塗料とは、上記のような基準を満たしたもので、微弾性塗料は、20度で伸び率が50パーセントから100パーセントの塗料を指します。

ただ、少し注意していただきたい点が、高弾性塗料の基準は日本産業規格によって定められていますが、微弾性塗料の基準は公式的に決められていないということです。
それゆえ、微弾性塗料の見分け方は少し難しいですが、位置づけとしては、高弾性塗料と硬質塗料の中間にあるというイメージを持っていただきたいです。
弾性塗料は高い弾力性が特徴的です。

高弾性塗料と微弾性塗料は、伸び率に違いがあり、使われる場面が異なります。
例えば、弾性塗料を塗った外壁の塗装が少し剥がれてきたときに、ちょっとした補修として、使用するものは微弾性塗料です。
微弾性塗料は、下地をより滑らかにする特徴があるため、その特徴を活かした塗装方法をとります。

 

□弾性塗料の施行方法について

弾性塗料の施行方法には主に3つあります。

1つ目は、単層弾性工法です。
この工法では、最初に下塗り材を塗りますが、使用するものはシーラーです。
その後、塗膜を厚くするように単層弾性工法用の塗料を2回ほど上塗りします。
この工法は、施工の難易度がそれほど高くないことに加えて、比較的安い費用で施工可能です。

ただし、弾力性がそれほど長く保てないという短所もあります。
シリコン塗料を採用した場合でも、8年から12年ほどで弾力性が減少します。
そのため、この工法を行う際は、最初は安い費用で済むものの、比較的すぐに再塗装が必要になるため、長期的に見ると、費用対効果は悪いことがあります。

2つ目は、複層弾性工法です。
この工法では、下塗り材として、シーラーを使用した後に、高弾性塗料を2回塗ります。
その後に、仕上げとして、さらに2回ほど上塗りをします。
単層弾性工法と比べて、塗膜が厚くなる分、耐用年数が長くなります。
具体的には、10年から20年ほど弾力性は保たれます。

ただし、施工における手間が多いため、費用はその分高くなってしまいます。

最後に、微弾性塗料工法について紹介します。
この工法でも、下塗り材を塗ってから、上塗りを2回する流れを行います。
下塗りに使用する下塗り材は、微弾性フィラーであり、それは高い弾力性が特徴です。

また、上塗りには、一般的な塗料を使います。
この工法では、2年から3年ほどかけて弾力性が徐々に減少しますが、それほど問題はありません。
それは、外壁を保護する上塗り材が残っているからです。
そのため、単層弾性工法よりは、高頻度にメンテナンスをすることは不要です。

 

□微弾性塗料を使用する利点について

1つ目は、ひび割れに強いことです。
外壁は、地震による揺れや、雨水の影響で、ひび割れをおこします。
特に、硬質塗料は、塗膜が堅いため、塗膜にひび割れが起きやすくなります。

その一方で、採用する塗料を微弾性塗料にすることで、外壁はひび割れに強くなります。
それは、塗膜にひびが入りにくいような高い弾力性が、発揮されるからです。
ゴムのような伸縮性が備わっているため、塗膜がひび割れしにくく、外壁にクラックが起きることが少なくなります。
また、仮に外壁にクラックが起きていても、塗膜にひびが入りにくいため、外壁の耐久性は保たれます。

2つ目は、防水性が高いことです。
塗膜に隙間ができてしまうと、その隙間から雨水が侵入してしまうことがあります。
そのため、防水性を高めるためには、塗膜に隙間をつくらないことが大切です。
微弾性塗料は、その高い密着力ゆえに、外壁にしっかりと密着します。
その結果、雨水が塗膜の内側に侵入することを防げます。

塗膜から侵入した雨水は、外壁のひびから建物内部に侵入することもあります。
その場合、建物が内部から腐食してしまう可能性があるため、外壁における防水性は、常に高くすることが必要です。
そのために、微弾性塗料を使うことや、定期的なメンテナンスをすることが効果的です。
また、雨水の侵入を防ぐように、害虫が侵入することも防げるため、虫嫌いの方にとっても魅力的な長所であるといえます。

3つ目は、外壁の劣化を防げることです。
特に、モルタル外壁の劣化を防ぐことに長けています。
モルタル外壁は、ひび割れが起きやすい特徴があるため、ひび割れを防ぐ微弾性塗料との相性はとてもいいです。
ひび割れは、外壁の劣化や、建物の劣化にもつながるため、しっかりとひび割れ対策をすることが大切です。

 

□微弾性塗料を使用する欠点について

1つ目は、耐候性や耐久性に比較的優れていないことです。
微弾性塗料の耐久性や耐候性は、比較的優れていません。
耐用年数を高めるために、分厚く塗るという方法がありますが、その方法をとると高い費用が必要になるため、予算と相談をした上で、決断されることがおすすめです。

2つ目は、施工が困難であることです。
外壁塗装を行う際に、高圧洗浄や下塗りなどの工程を踏むことが必要ですが、塗料がしっかり乾燥していない状態で上塗りをすると、塗装がすぐにはがれてしまいます。
また、塗膜が膨れ、外壁との密着度が落ちる可能性があります。
そのため、専門的な知識や技術が必要です。

 

□微弾性塗料を使用する際の注意点について

注意点は、サイディングボードとの相性が悪いことです。
サイデイングボードには、断熱材が含まれており、高温に達しやすいです。
高熱が微弾性塗料に伝わると、塗料が過度に柔らかくなります。
その結果、外壁にぶくぶくとした泡ができてしまうフクレという劣化症状が見られるようになり、外観に悪影響を与えます。

また、外観の悪化に加えて、フクレをおこしている部分は、下地との密着が非常に甘い状態になっているため、塗装が剥がれやすくなります。
微弾性塗料は熱に弱いため、サイデイングボードのような熱をためてしまうものとの相性がどうしても悪いのです。

そもそも、サイデイングボードに微弾性塗料を使用する利点はあまりありません。
サイデイングボードは、あまりひび割れをおこさないことに加えて、仮にひび割れを起こしたとしても、そのひび割れは微弾性塗料が補えるほどのものではないからです。

 

□まとめ

今回は、微弾性塗料を使用する利点と欠点について紹介しました。
この塗料には多くの魅力が詰まっている一方で、部材との相性を考えることが必要です。
また、理想的な外壁や屋根を実現するために、専門的な知識が必要な場面は多くあります。
仮に、理想的な外壁や屋根をイメージされている方は、是非詳細を当社までお聞かせください。
埼玉・川口市周辺で微弾性塗料に関する疑問やお悩みがある方は、お気軽に当社までご連絡ください。
皆様からのお問い合わせをお待ちしております。