耐候性のある塗料とは?具体的な塗料や特徴について紹介します!
外壁塗装や屋根塗装をご検討中の方は、よく「耐候性」という言葉を目にされるかと思います。
実は、耐候性の高さを考慮せずに、塗料を選択してしまうと塗装工事が終わってからの生活に影響するのです。
例えば、塗装工事が終わってから、あまり時間が経っていないのに塗装が剥がれてしまうことは、耐候性とも関連しています。
そこで今回は、耐候性のある塗料とはどのようなものなのか、具体的な塗料や特徴を併せてご紹介します。
□そもそも耐候性とは何か?
耐候性とは、塗料の耐用年数を表します。
より詳細には、雨や太陽光などの自然の外的要因に対して、変化しにくい性質のことを耐候性と言います。
紫外線や熱、雨水が、塗料を劣化させる主な要因であるため、それらに強い塗料は、耐候性のある塗料であると言えます。
耐候性の年数は、塗料メーカーが記載していることが一般的ですが、その数値はあくまで目安に過ぎないため注意が必要です。
耐候性の年数を算出する方法は、いくつかあり、適切に行われています。
ただし、測定時における整った環境は、どの場所でも実現できるわけではありません。
例えば、塗料の耐候性を測るためには、一定の厚みや、一定の乾燥状態で、試験を行います。
しかし、実際の塗装工事においては、一定の厚みを出せるかどうかや、正しい乾燥状態を実現できるかどうかは、職人の技術や天候によって、大きく異なります。
そのため、塗料メーカーが算出している耐候性は1つの目安として捉えることが大切です。
□耐候性の測り方について
塗料の耐候性は、あらゆる試験を行うことで、総合的に評価されます。
その中で、着目していただきたい測定方法は、塗料の光沢保持率の測定です。
光沢保持率の測定は、耐候性の測定方法の中でも、最も客観的な測定方法であるため、信憑性が高いものです。
塗料に含まれる樹脂成分が生きていれば、塗料の光沢は維持されます。
しかし、太陽光や雨水の影響で、塗料の樹脂成分が徐々に死んでしまうと、樹脂の残骸が粉となって塗膜表面に現れます。
外壁に触れたときに、手が白くなってしまったことはないでしょうか。
それは、塗料の樹脂成分が死んだことを示しているのです。
劣化症状の1つであるチョーキング現象と呼ばれるものです。
つまり、塗料の光沢維持率の高さは、塗料の耐候性の高さを示します。
その光沢保持率の測定方法として、一般的なものは日本工業規格に規定されている促進耐候性試験です。
この試験では、短時間で強い紫外線を人工的に塗膜に与えることによって、塗料の光沢がどこまで落ちるのかを検証します。
具体的には、短時間で10年から20年分の紫外線を与えます。
多くのメーカーは、樹脂成分が7割から8割ほどまで落ちるまでの時間を耐候性の数値として明記しています。
ただし、その基準は正式に決まったものではないため、同じ塗料でもメーカーによって明記されている耐用年数が異なることがあります。
そのため、耐用年数を客観的に把握したい方は、塗料について情報収集をすることがおすすめです。
その中でも、光沢保持率の測定は客観的なデータであるため、そこに着目することも1つの策です。
しかし、このような作業は多くの労力と長い時間を要するため、比較的耐候性の高い塗料について事前に把握しておくことが効率的でかつ効果的です。
□耐候性の高い塗料とその特徴について
耐候性の高い塗料として、フッ素塗料が挙げられます。
フッ素塗料にはいくつかのメリットがあります。
1つ目は、汚染しにくいことです。
フッ素塗料は、粘着性が低いので、汚れが付着しにくい性質があります。
結果として、汚れやカビを防ぎます。
そのため、耐候性の面からも魅力的ですが、汚れを取る作業が不要になることや、カビの除去作業が不要になることなど、メンテナンスの効率性の面からも非常に魅力的な塗料です。
2つ目は、熱に強いことです。
フッ素塗料は耐熱性があるため、太陽光や紫外線から建物を守ります。
太陽光や紫外線は、塗料に含まれる樹脂成分を破壊する主な要因であるため、それらから塗膜を守ることで、チョーキング現象を防ぎます。
塗料の劣化症状を抑えることは、再塗装の回数を減らすことを意味するため、フッ素塗料のような耐候性のあるものを使用することで、結果的に塗装のメンテナンス頻度を減らし、メンテナンスや再塗装の費用の削減につながります。
3つ目は、耐久性があることです。
耐久性とは、外的要因にどれだけ長く抵抗できるかを示す性質です。
耐久性と耐候性は似た言葉ですが、定義が少し異なります。
耐候性とは、主に「天候」に対する抵抗能力を示すことに対して、耐久性は、建物の保護や美観の維持に求められる塗膜の持続性を示します。
簡単にまとめると、壁にひび割れの現象が見られた場合、建物の維持のために再塗装が必要ですが、ひび割れを長い間起こさない塗料は耐久性が高いとみなされます。
フッ素塗料は、外壁にしっかりと密着するため、塗膜に隙間ができにくい性質があるため、ひび割れを起こしにくいです。
フッ素塗料は、耐久性が12年から20年もあると言われているくらいの耐久性の高さを誇っています。
*フッ素塗料以外の耐候性の高い塗料について
耐候性の高い塗料として、フッ素塗料を挙げましたが、無機塗料も同様に、耐候性の高さが特徴的です。
無機塗料の定義は、「無機物が含まれた塗料」です。
具体的には、ガラスや石が含まれた塗料を無機塗料と言います。
その無機塗料を使用するメリットもいくつかあります。
1つ目は、燃えにくいことです。
厳密には、燃え広がりにくいという性質を持ちます。
そのため、火事が起きた際、有機塗料を使用した場合に比べて、火が広がりにくいです。
2つ目は、カビが生じにくいことです。
無機塗料にはあまり有機物が含まれていないことが、無機塗料に防カビ効果がある理由です。
カビは、有機物を分解する役割を持ち、自然界に存在しています。
簡単にいうと、有機物はカビにとって栄養の1つなのです。
その有機物が無機塗料にはあまり多く含まれていないため、カビが無機塗料の中で生存することはあまりありません。
そのため、有機塗料を使用した場合に比べて、掃除の頻度は抑えられます。
□なぜフッ素樹脂を含む塗料が耐候性に優れているのか?
フッ素塗料の耐候性の高さは、塗料内における分子構造に起因します。
具体的には、フッ素塗料は、炭素原子とフッ素原子が直鎖状に結合されています。
分子構造の話はイメージがしづらいかもしれません。
ここで押さえていただきたいことは、「炭素原子とフッ素原子の結合は非常に強い」ということです。
フッ素塗料には、その炭素原子とフッ素原子が含まれており、それらの結合の強さを最大限まで活かしているため、高い耐久性を発揮できます。
□まとめ
今回は、耐候性のある塗料の具体的な塗料やその特徴について紹介しました。
耐候性の高さとは、塗装工事が終わってからの生活に直接的に影響するため、考慮すべき要素です。
例えば、耐候性の高い塗料を使用することで、掃除の頻度やメンテナンス、再塗装の回数を減らせます。
つまり、長期的に見ると、コストを安く抑えられます。
ただし、耐候性の高い塗料を識別するためには、専門的な知識が必要です。
埼玉・川口市周辺で耐候性のある塗料に関する疑問やお悩みがある方は、お気軽に当社までご連絡くださいませ。
皆様からのお問い合わせをお待ちしております。
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